蓄電池の価格は今後どうなる？2025年の動向と将来予測

お役立ち情報 2025年05月11日

監修：難波博司(太陽光発電プロコンサルタント): 蓄電池や太陽光発電に関する記事を多数監修しています。技術的な内容をわかりやすく伝えることを大切にし、お客様が納得して導入できるよう、日々サポートしています。

「蓄電池はこれからもっと安くなる？」「買うなら今？それとも待つべき？」

そんな疑問をお持ちの方に向けて、この記事では2025年時点の蓄電池価格の最新相場と、今後の値動き予測をわかりやすく解説します。

政策動向や技術革新、市場の変化など、価格に影響を与える要素も一緒に確認しておきましょう。

この記事を読むことでわかること：

2025年の蓄電池価格と、今後値下がりが期待できる理由
導入時期の判断に役立つ補助金制度と市場動向
今後5年で蓄電池価格がどう変わるかの将来予測

後悔しない選択のために、今知っておくべき情報をぎゅっと詰め込みました。ぜひ最後まで読み進めてみてください。

2025年現在の蓄電池価格相場とは？

2025年時点での家庭用蓄電池の価格は、容量や機能、設置環境によって大きく異なります。導入を検討する際には、これらの要素を総合的に考慮することが重要です。

以下に、一般的な価格相場と価格に影響を与える主な要素について詳しく解説します。

一般家庭向け蓄電池の平均価格

家庭用蓄電池の価格は、容量やメーカー、設置条件などによって異なります。以下は、一般的な容量別の価格相場です。

蓄電容量	価格相場（税込）
5kWh	約90万円〜150万円
10kWh	約150万円〜180万円
15kWh	約200万円〜250万円

この価格には本体代に加え、標準的な設置工事費も含まれます。

ただし、工事の内容や設置場所の状況により追加費用が発生することもあります。

価格に影響する主な要素（容量・機能・工事費）

蓄電池の価格を決める主な要素は、以下の通りです。

蓄電容量が大きいほど価格は高額になります。
停電時自動切替や遠隔操作機能がある製品は価格が上がります。
工事費は設置環境によって増減しやすいです。
メーカーごとに価格差や保証内容にも違いがあります。

こうしたポイントを理解した上で、家庭の電力使用量や将来的な活用を見据えて最適な蓄電池を選ぶことが費用対効果を高める鍵となります。

蓄電池の価格が高すぎると感じる方へ：費用対効果を徹底分析

価格が下がると言われる理由｜市場動向と技術革新

近年、蓄電池の価格が徐々に下がっていると感じる方も多いのではないでしょうか。

実際、さまざまな要因が価格低下に影響を与えており、その動きは今後も続くと見られています。

ここでは、価格が下がるとされる主な理由について具体的に見ていきましょう。

リチウムイオン電池の量産化と価格低下

家庭用蓄電池に多く使われているリチウムイオン電池は、近年のEV（電気自動車）需要の拡大により世界的に大量生産が進んでいます。

量産化が進むことで製造コストが下がり、家庭用の蓄電池にも価格面で恩恵が及んでいます。

特に中国や韓国の大手電池メーカーは、大規模な生産体制を構築しており、競争力のある価格で市場に供給しています。

国内外メーカーの競争と価格競争の激化

日本国内ではニチコンや京セラなどが主力メーカーですが、海外からはカナディアンソーラーやQセルズなどの強力な企業が参入しており、価格競争が激しくなっています。

複数メーカーの参入により選択肢が増えた
高機能モデルでも価格が抑えられるようになった
OEM製品の普及でコストが下がっている

このような市場環境の変化によって、以前よりも高性能な蓄電池が手の届きやすい価格で導入できるようになっています。

2025年の政策と補助金制度の影響

蓄電池の価格は市場の動きだけでなく、国のエネルギー政策や補助金制度にも大きく左右されます。

特に2025年は脱炭素社会の実現に向けて、政策支援が強化される年になると予想されています。

ここでは、価格に影響する制度や補助金の動向を整理します。

国のエネルギー政策が価格に与える影響

国は2050年カーボンニュートラルの目標達成に向けて、再生可能エネルギーの普及を加速させています。

その一環として、家庭用蓄電池の導入支援が拡充されています。

2025年も引き続き、環境省や経産省が実施する各種補助事業が継続される見込みです。

特に注目されているのは、以下のような施策です。

蓄電池を含む住宅省エネ化支援補助の継続
災害対策を目的とした蓄電池導入支援の強化
太陽光とのセット導入を促進するキャンペーンの増加

これらの施策により、補助金を活用すれば実質的な導入価格を数十万円単位で抑えることも可能です。

都道府県・自治体による補助金のトレンド

国の支援に加え、都道府県や市区町村が独自に蓄電池に対する補助金制度を用意していることもあります。

地域によって支給額や条件が大きく異なるため、最新の情報を事前に調べておくことが重要です。

自治体名	補助金額（目安）
東京都	最大60万円（条件により変動）
神奈川県	最大15万円程度
大阪市	設置容量に応じて最大30万円

補助金は先着順や年度予算の範囲内で終了する場合もあるため、導入を検討している方は早めの情報収集と申し込みが鍵となります。

今後の価格動向予測｜2026年以降はどうなる？

蓄電池の価格は2025年時点でやや下落傾向にありますが、その動きが今後も続くかは気になるところです。

市場の拡大や再生品の流通、政府のエネルギー戦略によって今後の価格にどのような影響があるのか見ていきましょう。

再エネ普及と蓄電池需要の拡大

太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーは今後さらに導入が進むと予測されています。

再エネを効率よく活用するには蓄電池の併用が不可欠なため、需要は年々高まっていく見通しです。

自家消費型の電力運用が普及してきている
電気料金の高騰により蓄電池への注目が高まっている
災害対策として蓄電池を備える家庭が増えている

こうした背景により、需要が伸びる一方で供給体制の強化や競合製品の増加により価格は緩やかに下がる可能性があると見られています。

中古蓄電池・再生品の市場と価格インパクト

近年は、リユースや再生処理された蓄電池の流通も徐々に広がりを見せています。

特に電気自動車から取り外されたバッテリーを再利用した製品は安価であるため、価格に大きな影響を与える存在です。

ただし中古品には保証期間や性能面で不安があるため、購入時には信頼できる業者からの購入が前提となります。

今後は品質管理や認証制度が整備されることで安心して選べる再生品市場が確立していくと予想されます。

太陽光発電とのセット価格はどう変わる？

蓄電池単体での導入に加え、太陽光発電とセットで導入を検討するケースも増えています。

特に売電価格が下がった現在では、自家消費型の電力運用を目的とした需要が高まりつつあります。

ここでは、太陽光発電と蓄電池を組み合わせた場合の価格傾向や導入のメリットを確認していきます。

FIT終了後の自家消費スタイルが主流に

FIT制度（固定価格買取制度）の終了に伴い、売電よりも自家消費にシフトする家庭が増えています。

この傾向を受けて、太陽光と蓄電池のセット導入が現実的な選択肢となりつつあります。

構成内容	相場価格（設置費込み）
太陽光 5kW + 蓄電池 5kWh	約200万円〜250万円
太陽光 6kW + 蓄電池 10kWh	約250万円〜320万円

セット導入により工事費や補助金の申請が一元化でき、個別に導入するよりもコストを抑えられる場合があります。

また、電気代の削減効果がより高まる点も注目です。

将来の買い時はいつ？後悔しない判断基準

蓄電池の価格が下がり始めているとはいえ、「いつ買うべきか」の判断は悩みどころです。

価格だけを見て判断するのではなく、目的やライフスタイルとの相性も含めて最適な導入タイミングを見極めることが大切です。

価格だけで決めない「価値ある買い方」とは

蓄電池は単なる価格競争の商品ではありません。

停電時の安心や電気代の削減、再エネとの相性など長期的な価値を見据えた選び方が求められます。

非常時のバックアップ電源としての役割
太陽光発電と組み合わせた自家消費の最適化
電気代上昇リスクへの備えとしての効果

こうした視点を持つことで、「安いから買う」ではなく「必要だから今導入する」という前向きな判断ができます。

結果的に満足度の高い買い物につながります。

導入のタイミングと補助金活用のベスト時期

補助金は導入コストを抑える上で有効な手段ですが、支給には申請期間や予算上限などの制限があります。

希望する補助金を確実に利用するためには、タイミングを逃さないように注意が必要です。

時期	おすすめの行動
年度初め（4月〜6月）	新年度予算が始まり補助金が豊富に確保されやすい
災害前の備え（夏〜秋）	停電対策として早めの導入を検討する家庭が増える
電気代高騰時	節電効果を高める目的での導入が現実的になる