各メーカーが採用している蓄電池の動作モードには、いくつか共通のものがあります。
メーカーによって名称は変わりますが、
・グリーンモード
・経済モード
・充電モード
の三種類です。
これらのモードや時間設定、変更方法について詳しく説明していきます。
目次
グリーンモードとは?
グリーンモードは、蓄電池の運転モードの1つであり、特にFIT期間が終了し、売電価格が低下している状況下では、自家消費を進めるにあたって非常に効果的です。
このモードでは、昼間に発電した余剰電力を蓄電池に充電し、夕方から使用できます。
もし、蓄電池が満タンになった場合は、余剰電力を売電することができます。
また近年、電気代の高騰により、蓄電池を検討する方も増えていますが、グリーンモードを上手に使用することで、”光熱費ゼロ住宅”を目指すこともできます。
自家消費率の向上と同時に、環境への負荷を軽減しながら電力の効率的な利用が実現されます。
モードの切り替え
蓄電池を初めて設置した場合、一般的には売電を優先する経済モードにデフォルトで設定されています。
これは、FIT期間中に安定した売電収入を確保するために最適なモードです。
しかしFIT期間終了後など、自家消費を優先したい場合は、手動でモードを切り替える必要があります。
一部の蓄電池にはAI機能が搭載されており、その場合スマートフォンやパソコンを通じてモードを変更することができます。
これにより、使用者は手軽に自家消費に適切なグリーンモードに切り替えることができます。
また、AI機能がない蓄電池でも、リモコンを使用して簡単にモードを切り替えることができます。
モードを切り替えることによって、ご家庭に合った蓄電池の使い方ができるようになります。
経済モードとは?
経済モードは、売電を優先するモードです。
このモードでは、電力の売電を重視し、自家消費よりも売電に焦点が当てられます。
経済性モードの中にも、自動モードと時間指定モードの2つのタイプがあります。
・自動モード
自動モードでは、1日のうちで最もb安い深夜電力を利用して蓄電池を充電します。
そして、朝から夕方にかけてのピーク時には、蓄電池から電力を供給して自家消費を目指します。
・時間指定モード
時間指定モードでは、ユーザーが蓄電池から電力を供給し始める時間を設定できます(夜間を除く)。
これにより、ユーザーは自身の電力が必要な時間に合わせて、電力の利用を柔軟に調整できます。
このモードは、特定の時間帯に電力需要が高い場合や、電力価格が高騰する時間帯に合わせて設定すると効果的です。
充電モードとは
充電モードでは充電が常に優先されるため、蓄電池の残量が少ない場合や非常時に備えて、常に蓄電池を満タンにしておくモードです。
この機能は、システムが必要に応じて優先的に充電を行うことで実現されます。
例えば、天候が不安定で太陽光発電が十分にできない日や、災害時などには蓄電池の充電を優先することで、電力の予備を確保することができます。
充電が完了し、24時間が経過すると、システムは自動的に経済モードに移行します。
このモードでは、システムが普段の電力使用状況に合わせて充放電を自動的に調整し、電力の効率的な利用を図ります。
例えば、深夜の安い電力を蓄えておき、朝から使用します。
お昼は太陽光発電の発電量が大きくなり、使う電力を賄いながらも余剰電力が生まれます。
これを全て売電することで、経済的メリットを最大化させます。
このような自動的な調整により、ユーザーは常に最適な状態で電力を利用でき、省エネルギーかつ安定した電力供給が実現されます。
充電と放電とは?
蓄電池の仕組みは、化学反応によって電気エネルギーを貯め、必要なときに放出する仕組みです。
充電時には化学変化が起こり、放電時にはその逆の化学変化が起こります。
具体的には、充電時にはプラス極に電流を流し、マイナス極には電流を流すことで、化学物質が酸化還元反応を起こします。
この過程で電気エネルギーが化学エネルギーに変換されて蓄えられます。そして、電気を使うときにはその逆の過程が起こり、化学エネルギーが電気エネルギーに変換されます。
例えば、リチウムイオン電池では、充電時にはリチウムイオンがプラス極からマイナス極に移動し、放電時にはその逆の過程が起こります。この移動の過程で電気が生じます。
二次電池は、この化学変化が逆になることで何度も充電が可能です。
具体的には、充電時には電流を逆向きに流し、再び元の状態に戻すことで、蓄電池を再び使用できる状態にします。
運転モードはどちらにするべき?
FIT(固定価格買取制度)期間は、太陽光発電によって発電された電力を一定の価格で電力会社が買い取る制度です。
この期間中は、一定の売電価格が保証され、売電した方がメリットが大きくなるので、蓄電池導入時には主に「経済モード」が選択されます。
経済モードでは、蓄電池は主に電力需要ピーク時の電力供給を支援し、売電による収益を最大化します。
しかし、FIT期間終了後は売電価格が市場価格に従って変動し、期間中より下がってしまうため、自家消費のメリットが高まります。
この時、蓄電池の動作モードを「グリーンモード」に切り替えることがおすすめです。
グリーンモードでは、蓄電池は発電量が豊富な時に電力を蓄え、自家消費量を増やします。
これにより、売電価格が低下しても自家消費量が高まり、電力の需要と供給を調整することができます。
モード切り替えのメリットは、売電価格にそって考えることで、収益性を維持することができます。
グリーンモードのおすすめ時間設定
昼間の発電量が高い時間帯に蓄電することで、太陽光発電の有効活用が実現します。
例えば、太陽光発電システムでは、日中の太陽の光が強い時間帯に発電量がピークに達します。
この時間帯に蓄電池を充電することで、余った電力を貯め、夜間や曇りの日など発電量が低下する時間帯に利用できます。
特に、日が上る朝7時から夕方5時までの時間帯を充電期間に充てることで、日中の発電ピークに効果的に対応できます。
この時間帯は一般的に電力需要が高まり、電力供給が必要とされる時間帯です。
そして、日が上る朝7時から夕方5時までの時間帯に充電された電力は、夜間や朝の使用ピーク時など需要が高まる時間帯に利用されます。
これにより、電力のの安定した供給と需要の調整が実現され、電力システム全体の効率性が向上します。
また、蓄電池を効果的に活用することで、電力の自給自足や環境に優しい生活を送ることができます。
グリーンモードの夜間充電はするべき?
夜間充電を選択する場合、昼間の太陽光発電によって生まれた余剰電力を貯蔵するだけでなく、夜間の時間帯に電力会社から買電した電力も利用して蓄電池を充電します。
つまり、昼間の太陽光発電で得られる余剰電力を優先的に利用し、必要に応じて夜間の電力会社からの電力で補います。
これにより、電力会社からの電力購入量を最小限に抑えながら、蓄電池を効率的に活用することができます。
一方、夜間充電を選択しない場合、昼間の余剰電力のみで蓄電池を充電しますが、夜間に電力会社からの電力購入は行いません。
しかし、蓄電池の残量が少なくなると保護機能が作動し、蓄電池の過放電を防ぐために電力会社からの電力購入が必要になる場合があります。
このような場合には、電力会社からの電力購入を必要最小限に抑えるために、気をつけなければなりません。
施工業者選びのポイント
太陽光発電にしろ、蓄電池にしろ大きな買い物をすることになるので、損しないように施工会社を選ぶポイントをお伝えします!
複数の業者を比較する
1つ目のポイントは、複数の施工会社から見積もりをお願いすることです。
施工会社はたくさんあるので1つの会社だけで決めてしまうのはすごくもったいないですし、損をする可能性があります。
最低でも3つの会社から見積もりを取り、比較することをおすすめします。
取り扱いメーカーが豊富かどうか
2つ目のポイントは、取り扱いメーカーが豊富な会社かどうかです。
なぜ、取り扱いのメーカーが豊富だと良いのかというと、
例えば、1つのメーカーしか取り扱いがない場合、選ぶ範囲が狭くなってしまうので本当にご家庭にあった内容のものを選ぶことができないなど納得のいく契約ができないことがほとんどです。
メーカーの中には費用に特化しているメーカーや発電量に特化しているメーカーなど、そのメーカーによって様々な特徴があります!
なので必ず、ご家庭にあった内容のものが見つかるはずなので納得していない契約は、どれだけ営業の方の対応が良かったとしても、各ご家庭にあったものを選べるように取り扱いのメーカーが豊富な会社を選びましょう。
よく、言われているのが3メーカー以上を提案してくれる会社だと安心できると言えます!
施工会社を選ぶポイント2つをお話ししてきましたが、とても重要なことなので、覚えておきましょう!
信頼できる販売施工店の見分け方
どの会社がいいのかは実際のところ見分けるのが難しいかと思います。
ですが、ポイントを押さえておくだけで何も知らない状態で決めるより少しは安心して契約してもらえるかと思います。
押さえておきたいポイント1つ目
押さえておきたいポイントの1つ目は施工実績が豊富であるかどうかです。
これは、ホームページを見るとすぐにわかります!
会社は自信があるから実績を載せているかと思いますので、確認してみるのは失敗しない一つのポイントと言えます。
なので、実績がわからない、どんな資格を持っている人がいるか情報が書いていない、ホームページの内容が薄いなどの会社は避けることをおすすめします!
押さえておきたいポイント2つ目
2つ目のポイントは質問や相談に積極的かつ親身になって対応してくれているかです。
蓄電池を設置される方は、わからないことや不安なことだらけだと思います。
その気持ちに寄り添ってない会社や、質問した内容が曖昧だったり、対応が淡々としている会社は例え、値段が安くても設置ミスがあったり何か困ったことがあっても対応してもらえないなどのトラブルを招く場合があります。
安さだけで決めるのは避け、相談にちゃんと乗ってくれる会社を選びましょう!
押さえておきたいポイント3つ目
3つ目のポイントは、見積もりの内容がわかりやすく、細かい内容も記載されているかがポイントです。
このポイントは初めの方からしたらわかりにくいかと思います。
ですが、重要なのでチェックしておきましょう!
①合計金額が税込なのか税抜なのか
②工事内容の欄が「一式」でまとめられていないか
③使用する品番やメーカー、商品名がきちんと記載されているか
見積もりをお願いした際は、この3つを確認しておきましょう!
もし記載がない場合は業者の人に確認することも忘れないようにして、答えてくれない会社はやめておきましょう!
以上、見分ける際に必要な3つのポイントをお伝えしました。
蓄電池を検討されている方はぜひ、複数の会社から見積もりを出してもらってから見分けるようにしましょう!
よくあるご質問(FAQ)
Q: 蓄電池のモードの切り替えはどのように行いますか?
A: 蓄電池のモードの切り替え方法は、メーカーやモデルによって異なります。
一部の蓄電池はAI機能を搭載しており、スマートフォンやパソコンを介してモードを切り替えることができます。
他の蓄電池では、リモコンを使用して簡単にモードを切り替えることができます。
メーカーが提供する取扱説明書やオンラインのサポート情報を確認し、それぞれの蓄電池の適切な操作方法で行いましょう。
Q: 経済モードとグリーンモードはどう使い分けますか?
A: 経済モードとグリーンモードの使い分けは、FIT(固定価格買取制度)期間に基づいて行います。
FIT期間中は売電価格が一定ですので、「経済モード」を選択し、売電に重点を置くことが一般的です。
しかし、FIT期間が終了し、売電価格が変動するようになると、「グリーンモード」に切り替えることがおすすめされます。
このモードでは、自家消費率を進めます。
これにより、FIT期間後も効果的に蓄電池を活用することが可能です。
蓄電池は屋根工事と太陽光工事の専門家である住まいるエコ本舗にご相談ください
蓄電池の導入は「住まいるエコ本舗」がおすすめです。
住まいるエコ本舗では、専門的な知識・経験を持ったスタッフが多く在籍しており、それぞれの生活や住宅の周辺環境に合ったプランをご提案させていただきます。
また、定期的なメンテナンスにも対応しており、長期間にわたってお客さまの安心をサポートしています。
高額な費用が必要な太陽光発電・蓄電池の導入だからこそ、プロの業者のサポートが大切です。
相談やアドバイスを無料でおこなっておりますので、お悩みの方はぜひお問い合わせください。
まとめ
蓄電池の主なモードであるグリーンモード、経済モード、充電モードは、それぞれ異なる目的に応じて設計されています。
グリーンモードは、太陽光発電の自家消費率を向上させることに焦点を当てています。
これにより、光熱費ゼロ住宅を目指しながら、電力の買電量を最小限に抑えます。
一方、経済モードは、FIT期間中の売電に重点を置き、売電収入を最大化します。
充電モードは、蓄電池の充電を優先します。
これにより、電力が十分な状態に保たれ、予期せぬ停電などの非常時に備えることができます。
これらのモードは、家庭の状況やニーズに応じて柔軟に選択することができます。
例えば、FIT期間中は経済モードを選択して売電収入を最大化し、FIT期間後はグリーンモードに切り替えて自家消費率を向上させることができます。
さらに、夜間充電を行うかどうかや、各モードの設定値を調整することで、さらなる電力の効率的な利用が可能です。
蓄電池の運転モードを上手に活用することで、家庭のエネルギー管理を向上させ、快適で持続可能な生活を実現することができます。
皆さんの快適な生活をサポートするために、蓄電池の運転モードを上手に活用しましょう!
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監修:難波博司
(太陽光発電プロコンサルタント)
蓄電池や太陽光発電に関する記事を多数監修しています。技術的な内容をわかりやすく伝えることを大切にし、お客様が納得して導入できるよう、日々サポートしています。お客様第一の姿勢で信頼性の高い記事を提供しています。
監修:築山享晃
(光熱費削減プロコンサルタント)
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