蓄電池を検討するとき、特定負荷型っていいのかな?全負荷型の方がいいんじゃない?って悩みますよね、この記事では特定負荷ってどうなの?という疑問に分かりやすく解説していきます。
目次
蓄電池のタイプ 特定負荷とは?
まず初めに、蓄電池には全負荷型と特定負荷型がありますが通常時はどちらも変わらず、お家全体に電気を供給しています。違うのは停電時です。停電が起こった際にお家のどこまで電気を供給するか?が全負荷と特定負荷では違います。
全負荷型の蓄電池は停電時でも、お家全体に電力を供給する蓄電池です。
全ての電気機器に電気を供給しますので通常生活通りに使用することができます。
特定負荷型の蓄電池は、事前に決めておいた特定の場所や電気機器にのみ電力を供給します。例えば、冷蔵庫や照明などは生活するうえで欠かせないものですので、これらの家電製品に絞って電力を供給できます。
だとしたら全負荷の方がいいのでは?って思いますよね。まずはメリット、デメリットをご覧ください。
特定負荷タイプのメリット
全負荷型より安く設置できる。
全負荷タイプに比べて特定負荷型は設置費用が安いです。メーカーによっては全負荷にすると設置する機器が増える場合があり、それに伴い工事費用もかかるので、特定負荷の方が必要最低限の設備を対象とするため、蓄電池の容量や設備の設置費用を低くできます。
停電時に電気の使いすぎを防げる
特定負荷型は、事前に指定した回路にのみ電力が供給されるので、使用する電気が最低限に抑えられます。その結果、蓄電池の電気消費が少なく、停電が長引いた場合でも電力を長持ちさせることができます。全負荷型は、日常生活なみの電気を使いますので電気の減りが早くなります。
サイズが小型でコンパクト、室内設置もできる
特定負荷型は小型なので、リビングの隅や収納スペースの奥など、お家の限られたスペースでも収まります。全負荷型だと、商品によっては1mを超えるものもあります。
商品数が多く、色々な商品を比較出来る
特定負荷型を取り扱っているメーカーは多く、商品の種類もたくさんありますので、比較して、お家に合ったベストな商品を選びましょう。
特定負荷タイプのデメリット
停電時に200Vの家電(IHやエコキュート)が使えない
200Vの家電にはエアコン、IHクッキングヒーター、食洗機、浴室乾燥機、電気式床下暖房などがあります。
停電時に電気が使えない場所がある
停電時にはあらかじめ指定した回路しか使えないので、指定していない回路は電気の使用ができません。例えば、リビングの回路を指定していれば、リビングの電気は使えますが、寝室やトイレの電気は使うことが出来ません。
停電時、エアコンが使えないことがある
エアコンは200Vだったり、100Vでも独立回路を組んでいるため、停電時に冷蔵庫や照明といった家電に電力使用を指定していると、エアコンが使えません。
特定負荷型には更にタイプがある
特定負荷型でも単機能型蓄電池とハイブリッド型蓄電池の2つのタイプがあります。この2つのタイプはご自身の生活スタイルに合わせて選んでいきます。
単機能型蓄電池
単機能型は、蓄電池だけ設置するという方に、費用を抑えて導入できます。太陽光パネルも付けるという方はパワーコンディショナという機器が、それぞれ必要になります。
ハイブリッド型蓄電池
ハイブリッド型蓄電池は太陽光発電と蓄電池のパワーコンディショナを1台で管理することができます。
パワーコンディショナについて詳しく知りたい方はこちらの記事をどうぞ
特定負荷型と全負荷型はどちらがいいの?
特定負荷型蓄電池がおすすめなご家庭
蓄電池の導入費用を抑えたい方
できるだけ費用を安くしたいという方にはおすすめです。停電時にも指定した回路だけ電気が使えたらいいやという場合は全負荷よりも安く設置ができる特定負荷がおすすめです。
ガスと併用して電気を使っているご家庭
オール電化やエコキュートにする予定がなくガスと一緒に電気を使っている場合は、停電時にも普段電気を使っている回路だけ指定していればいいので、十分対応できます。
全負荷型蓄電池がおすすめなご家庭
災害時に電気の復旧に時間がかかる地域にお住まいの方
災害が起きたとき、電気の復旧が遅くなる可能性がある地域では、全負荷型蓄電池が便利です。このタイプの蓄電池なら、停電時でも家の中すべてで電気が普段通りに使えるため、電気の復旧に時間がかかる状況では、家の中の生活を快適に保つことができ、ストレスも少なくなります。
オール電化や太陽光発電を設置しているご家庭
200V対応の蓄電池なら停電時でもIHやエコキュートなども使用できます。オール電化だと停電時にはすべての電気が使えなくなるので、オール電化住宅には全負荷は向いています。
お家に合わせた蓄電池の選び方
日常の電気使用量から選ぶ
季節によっても変動すると思いますので、1日どのくらいの電気を使っているか確かめてみましょう。
夜間の電力使用が多い場合、容量が大きめの蓄電池(例: 10kWh以上)が適しており、昼間に電力を蓄えて夜間に使用するスタイルが向いています。
一方、日中の消費が多く、日照時間内に太陽光発電を直接使える場合は、小規模な蓄電池(6.5kWhなど)でも十分な場合があります。
停電時の電気使用量で選ぶ
停電時にどの家電を優先して使用するかを考え、それに合わせて容量を選びます。冷蔵庫や照明、Wi-Fiルーターなどの基本的な家電に必要な消費電力に基づいて容量を決定します。
例えば、冷蔵庫が200W、照明が数十ワットとすると、最低限で1日あたり2〜3kWh程度の容量が必要になります。
停電時の電気の使い方で選ぶ
停電時にいつも通りの生活がしたいという場合は全負荷型。ただし出力が高いため、短時間で大量の電力を供給できますが、その分、貯めた電気を使い果たすスピードも速くなりますので大容量の蓄電池を選ぶ必要があります。
停電時には部分的に電気が使えたらいいという場合は、特定負荷型。あらかじめ指定した回路のみ電力を供給するため、使用できる家電が限られます。これにより、電力消費を抑えることができ、長期的な使用に向いています。
停電時には全負荷型として家全体の電気を使用することができる一方、日常的には特定負荷型として指定した回路だけを利用することも可能なハイブリッド型もあります。
おすすめ!特定負荷の蓄電池メーカー
住まいるエコ本舗でおすすめの特定負荷蓄電池をご紹介します。
オムロンのおすすめ特定負荷型蓄電池
マルチ蓄電プラットフォーム「KPBP-Aシリーズ」
小規模世帯向け6.5kWh蓄電池ユニット「KP-BU65B-S」
主な特徴
蓄電容量: 6.5kWhの容量は、短時間の停電や日常のエネルギー管理に十分な電力を供給します。コンパクトな容量のため、設置スペースの限られた住宅でも運用しやすく、小規模世帯に適しています。
モジュール構造: KPBP-Aシリーズはモジュール式の設計であり、家庭のニーズに応じてシステムをカスタマイズしたり、後から容量を増設することが可能です。
停電時の電力供給: 停電時には自動的に蓄電池から電力を供給するため、生活の一部をサポートし、冷蔵庫や照明などの重要な家電をしばらく稼働させることができます。
省スペース設計: 室内外どちらにも設置可能で、都市部の住宅や狭いスペースにも適応します。シンプルでコンパクトなサイズなので、生活空間を圧迫しません。
エコモード: 使用状況に合わせて運転モードを選択できるため、電力コスト削減にも寄与します。太陽光発電と併用することで、日中の発電を蓄えて夜間に使用するなど、効率的なエネルギー利用を実現します。
ニチコンのおすすめ特定負荷型蓄電池
ニチコン ESS-U2M1シリーズ
主な特徴
蓄電容量: 一般的に12kWhの容量があり、家庭のエネルギー需要に応じた長時間の電力供給が可能です。これにより、停電時や電力使用量の多い時間帯でも電力を維持でき、特に太陽光発電がある家庭に最適です。
ハイブリッド機能: ESS-U2M1シリーズは、既存の太陽光発電システムと連携して運用できるハイブリッドタイプです。日中に発電された電力を蓄電池に充電し、夜間や停電時にその電力を供給することで、電力コストの削減が期待できます。
自動切替システム: 停電が発生した際には、自動的にバックアップ電力に切り替わるため、重要な家電製品や照明などを継続して使用できます。
エネルギー管理: 専用アプリやモニタリングシステムを通じてリアルタイムで電力使用量や蓄電状況を確認することが可能です。これにより、エネルギー消費の最適化がしやすくなります。
設置の柔軟性: 屋内外に対応した設計のため、住宅の環境やスペースに応じて柔軟に設置が可能です。
長州産業のおすすめ特定負荷型蓄電池
長州産業 スマートPVマルチ
主な特徴
多機能統合システム: スマートPVマルチは、太陽光発電と蓄電池、EV充電を一括して管理します。この「マルチ」機能により、家庭のエネルギー使用量を最適化できるほか、電力の無駄を減らして効率を向上させることが可能です。
全負荷対応: 蓄電池の電力を家全体に供給できる「全負荷対応」にもなっており、停電時でも家中の電気を使用できます。災害時や停電時に普段と同じように生活が可能になるため、備えとしても強力です。
自動切替と電力の最適管理: 自動で電力の供給元を切り替える機能が備わっており、電力が不足しているときや電力需要のピーク時には蓄電池から電力を供給することができます。日中に太陽光で発電した電力を蓄電池に貯め、夜間や停電時に利用することで電力コストの削減にもつながります。
エネルギーマネジメントシステム(EMS): 専用のエネルギーマネジメントシステム(EMS)を通じて、スマホやPCでエネルギーの生成・消費・蓄電の状況をリアルタイムで確認可能です。これにより、エネルギーの管理がしやすくなり、家庭の省エネ効果を高めます。
コンパクトなデザイン: スマートPVマルチの蓄電池ユニットは、省スペース設計が特徴です。外観も室外機のようにコンパクトで、設置スペースが限られている住宅にも設置しやすくなっています。
まとめ
蓄電池を選ぶ際には普段の電力使用量や停電時に使う電力量をあらかじめ予測してお家に合った蓄電池を選択しましょう。住まいるエコ本舗ではシミュレーションも行っておりますのでお気軽にご相談ください。
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監修:難波博司
(太陽光発電プロコンサルタント)
蓄電池や太陽光発電に関する記事を多数監修しています。技術的な内容をわかりやすく伝えることを大切にし、お客様が納得して導入できるよう、日々サポートしています。お客様第一の姿勢で信頼性の高い記事を提供しています。
監修:築山享晃
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