太陽光発電システムは日々新しくなっていますね。
それによって、新しいタイプやよく分からない種類のシステムが増えてきているのも実際のところですね。
この記事では、自宅で作った電気を自分で使うタイプの自家消費型太陽光発電についてご紹介します。
それに加えて、電気を売ることにより収入を得る、売電制度についても、今どちらがお得か、特に自宅で使うタイプに焦点を当ててご説明します。
自家消費型太陽光発電を始めたいと思ったら、まずはその良い点や気をつけるべきことをチェックしてみてください。
それではいってみましょう〜!
目次
自家消費型の太陽光発電の基礎知識
太陽の光を使って電気を作る、再生可能エネルギーとしての太陽光発電についてご紹介します。
特に、「自家消費型」というのはどんな方式のことか、基本からお話しします。
太陽光発電は、太陽からの光を太陽光パネルで受けて電気に変えます。
このパネルは、家の屋根や地面に置くことが多いです。
そして、太陽光発電が作る電気はとてもクリーンで、空気を汚すものを出さないのが大きなポイントです。
この太陽光発電を家や会社で導入すると、作った電気をその場で使うことができます。
特に、自分たちの為だけに作った電気を使う方法を「自家消費型」と呼んでいます。
最近は、電気料金が上がり続けて、家計や会社の経費に影響が出ているので、自家消費型の太陽光発電にみんなの関心が集まっています。
太陽光発電における自家消費
太陽光発電って、太陽の光から電気を作る方法ですが、この中に「自家消費型」というのがあります。
これは、電気を作って自分の家や会社で使う方法です。
大きく分けて、自分で使う電気を全部自分のところで消費するタイプと、使いきれなかった電気を電力会社に売るタイプがあります。
全部自分で使う自家消費タイプ
この方法では、作った電気を全部自分の家や会社で使います。
電気代を減らしたり、環境に優しい生活をしたりするのにいいです。
ただ、電気が足りなくならないように、蓄電池が必要になるかもしれません。
余った電気を売る余剰売電タイプ
こちらは、自分の家や会社で使いきれない電気を外に売ります。
小さな家や会社向けの設備が多いです。
設置してから10年間は、電力会社が高い価格で電気を買ってくれるので、電気代の節約に加えて、売電収入も期待できます。
FIT制度って?
FIT制度は、太陽光発電で作った電気を電力会社が決められた価格で買い取るルールです。
このおかげで、太陽光発電を始めやすくなっています。
ただし、この買い取り価格は毎年少しずつ下がっているので、注意が必要です。
以前は、大きな太陽光発電設備にもこのFIT制度が適用されていましたが、2020年以降は、中規模の設備に適用されるようになりました。
そして、作った電気の30%以上を自分のところで使う必要があります。
これを守らないと、電気を売る権利を失うかもしれません。
2024年度(令和6年度)の売電価格と過去の売電価格の傾向
太陽光発電で作った電気を売るときの価格は、年々少しずつ下がっています。
なので、太陽光発電を始めるなら、売電価格がまだ高いうちに設置する方がお得です。
これまでの売電価格を見ると、毎年1円から3円ほど下がっているのがわかります。
スクロールできます
年度 | 売電価格 | 前年度との差分 |
---|---|---|
令和6年度 | 16円/kWh | 前年の売電価格と同額 |
令和3年度 | 19円/kWh | 前年の売電価格-2円 |
平成29年度 | 28円/kWh | 前年の売電価格-3円 |
平成25年度 | 38円/kWh | 前年の売電価格-3円 |
自家消費のメリットは電気代削減と売電収入
太陽光発電を家や会社につけると、電気代を減らしたり、余った電気を売ってお金をもらうことができます。
最近は、電気を売るよりも自分たちで使う方が、もっとお金を節約できるんです。
特に、大きな発電設備(50kW以上)を持っているところだけが、全量売れるようになっています。
電気を売る価格は毎年少しずつ安くなっています。
例えば、2021年には50kWから250kWの設備で、電気1kWhあたり11円で売れましたが、2022年には10円、2023年には9.5円と下がっています。
【売電価格の変わり方】
・50kW以上の大きな設備は、入札で価格が決まります。
2021年度は11円から始まって、だんだん下がってきました。
・10kW以上50kW未満の設備では、2021年は11円、2022年は10円、2023年は9.5円でした。
・10kW未満の小さい設備では、2021年は19円、2022年は17円、2023年は16円です。
この価格は10年間または20年間保証されています。
太陽光発電を始めるなら、これらの情報を参考にしてくださいね。
【参考】
経済産業省資源エネルギー庁「FIT・FIP制度 買取価格・期間等(2022年度以降)
2022年度以降の価格表(調達価格1kWhあたり太陽光」より
自家消費型のメリット
「自家消費型」太陽光発電には、こんないいことがあります。
① 自分で作った電気をタダで使える
自分で作った電気は、そのまま自分の家や会社で使うことができます。
これで、電気を外から買う量を減らして、電気代をお得にすることができます。
② 投資したお金を早く取り戻せる
太陽光発電を始めるときには、設備を買うお金や、その後の管理にお金がかかりますが、作った電気を自分で使えるので、電気代が節約できます。
これによって、出したお金を早く回収できることがあります。
設備や場所によって違いますが、運が良ければ、10年くらいで初期投資のお金を取り戻せると言われています。
自家消費型のデメリット
「自家消費型」太陽光発電のちょっとした難点についてお話ししますね。
① 最初にかなりのお金がかかる
太陽光発電を家に取り付けるためには、始めに設備や工事に結構なお金が必要です。
令和4年度の話でいうと、電力をたくさん使う家なら、1kWあたり約25万円もするんですよ。
小さい設備でも、初期投資として数十万円が必要になります。
経済産業省:令和4年度以降の調達価格等に関する意見
② 維持・管理にも手間とお金がかかる
設備を導入した後は、毎日の管理やたまにあるメンテナンス、壊れた部分を修理するために、時間もお金もかかります。
それに、固定資産税や保険のような継続的な出費も考えなくてはいけません。
③ 色々な手続きが必要
自分で作った電気を使うためには、地元の電力会社に接続をお願いして、OKをもらわないといけません。
そして、太陽光発電を設置するときには、消防法や景観法といった法律に従って、必要な対策をしなければならず、そのための手続きも必要です。
自分に合った太陽光発電の選び方
太陽光発電を選ぶときは、お家にピッタリのタイプを見つけることが大切です。
「自家消費型」にはいろいろな特徴があり、家庭によって合う形が違います。
「自社消費型」は、自分の太陽光発電設備を自由に使いたい方に向いています。
自家消費型太陽光発電で知っておきたいこと
太陽光発電を始めるにあたって、覚えておくべきことや気をつけたいポイントをお話しします。
自家消費型太陽光発電のモデルについて
事業者の場合など自家消費型太陽光発電は、始め方によっていくつかの種類があります。
特に今よく使われているのが、「自社所有モデル」と「オンサイトPPA」です。
「たくさんのお金が最初に必要だけど、毎月の電気代をぐんと減らせる」のが自社所有モデル、「最初の費用はかからないけど、毎月電気代は払う」のがオンサイトPPAです。
スクロールできます
自社所有モデル | オンサイトPPA | |
---|---|---|
初期投資 | 自社負担 | 事業者負担 |
電気代 | かからない | かかる |
ランニングコスト | 自社不要 | 事業者負担 |
それぞれの特徴を紹介していきますね。
自社所有モデル
自社所有モデルは、自分の土地や建物に自分で発電設備を作る方法です。
作った電気は自分で使ったり、電力会社に売ったりできます。
電気を買う必要がなくなるので、電気代を大きく減らせますが、始めるための費用や、維持するための費用が自分で必要になります。
オンサイトPPA
オンサイトPPAは、自分の土地を発電会社に貸して、そこで発電設備を作ってもらい、できた電気を買う方法です。
電気代は払いますが、設備の設置や維持の費用は発電会社が持ってくれるので、初めはお金がかかりません。
ただ、この方法だと、長い契約を結ぶことが多く、その間は建物を新しくしたり、引っ越ししたりするのが難しくなることがあります。
自社所有モデルとオンサイトPPAについて覚えておくと、自分に合った太陽光発電を選ぶときに役立ちます。
節税優遇について
自家消費型太陽光発電を始めると、国からいろんな助けがあります。
お金の面でサポートする補助金や税金が安くなる制度があるんです。
ここでは、その中でも特に知っておきたい制度をいくつかお話ししますね。
<税金をお得にする制度>
中小企業経営強化税制
・即時償却
設備を導入したその年に、費用の全部を経費にできます。
この制度は、太陽光発電を自分たちで使う割合が半分以上の設備に使えますが、電気を売ることが主な目的の設備はダメです。
・税額控除
設備にかかったお金の最大10%を税金から引けます。
減価償却
設備の費用を、使える年数に分けて経費にすることができます。
これは、太陽光発電を自分たちで使う割合が半分未満の設備に適用されます。
・即時償却
こちらも設備費用を最初の年に全部経費にできます。
・税額控除
設備費用の7%または10%を税金から引くことができます。
カーボンニュートラルに向けた投資促進税制
炭素の排出量を減らす効果がある設備には、さらにお得な制度があります。
炭素の生産性が3年以内に10%以上良くなる設備では、税額控除が10%か、特別に半分をすぐに経費にできます。
7%以上改善する設備では、税額控除が5%か、同じく特別に半分を経費にできます。
これらの制度を上手に使うことで、太陽光発電の導入にかかる費用を少しでもお得にすることができます。
特に、地球に優しい選択をしたいと思っている方にとって、助かる制度ですね。
補助金制度について
企業が自分の使うための太陽光発電を始めるときに、役立つ補助金がいくつかありますよ。
2023年7月4日の情報ですが、主なものを紹介しますね。
・太陽光発電のコストを下げるための支援
これは、太陽光発電をもっとお手頃な価格で始められるようにするための事業です。
発電設備の価格を下げることが目的です。
・再生可能エネルギーを手伝う補助金(駐車場での太陽光発電)
駐車場に太陽光パネルを設置する「ソーラーカーポート」の導入をサポートする補助金です。
・地域で新しい太陽光発電の場所を見つける補助金
農地やため池、廃棄物処理場など、新しい場所で太陽光発電を始めるのを助ける補助金です。
・需要家が主体の太陽光発電を促進する事業
家庭や企業が主導で太陽光発電を導入することを奨励するための事業です。
・平時も災害時もCO2を削減する独立型施設の支援
普段は脱炭素化に貢献し、災害の時には安全を守ることができる、独立して動く施設への支援です。
これらの補助金を利用すると、太陽光発電を始めるときの費用を少しでも抑えられますし、
環境にも優しい選択ができますよ。
売電収入を増やす方法
太陽光発電で作った電気を売って、もっとお金を稼ぎたいと思うこともあるでしょう。
ここでは、そのためのコツをいくつかご紹介しますね。
発電をグンとアップさせる
太陽光発電でたくさん電気を作れば、売れる電気の量も増えます。
屋根に付ける太陽光パネルについて、どのメーカーのどんな種類、どんな形のパネルをどれくらいの量でどの方向に向けて設置するか、事前によく考えて決めましょう。
このとき、計算した予測がどんな条件で行われたものかも、しっかりチェックしてくださいね。
蓄電池をうまく活用してみる
蓄電池をうまく使えば、売る電気で得られるお金を増やすことができますよ。
例えば、夜間に電気が安い時に蓄電池に電気をためておき、昼間の高い時間にその電気を使うことで、電気をためた分の差額が実質的に売電収入が増えたことになります。
でも、蓄電池を設置する費用や、その後の管理にかかるお金も考えなくてはならないので、メリットとデメリットをよく考えてから決めることが大切です。
経済産業省が出している「小売事業者表示制度(統一省エネラベル等)」の情報も参考になりますよ。
省エネをして無理なく使う電気を減らす
売電収入を増やすには、自分たちで使う電気の量を減らすことも大切です。
家の中の電気製品を省エネ性能の良いものに変えたり、エアコンの設定温度を見直したりすることで、省エネ生活を目指しましょう。
さらに、家が寒くなりにくいように断熱リフォームをするのもいいですね。
省エネで生活することは、売電収入を増やすだけでなく、環境にやさしく、太陽光発電が使えないときの電気代も節約できます。
ぜひ、試してみてくださいね。
まとめ
蓄電池をつけたり、家の中の電化製品を上手に使ったりすることで、自分で作った電気を多く使うことができ、売るよりもっと得をすることがあります。
さらに、太陽光発電や蓄電池には、災害が起きたときに役立つというメリットもあります。
太陽光発電や蓄電池を設置するときには、補助金を使えば初期費用を抑えることができることもあるので、設置業者に相談して、どれくらいお得になるか計算してもらうのもいいですね。
最近では、地球にやさしい社会づくりの流れの中で、太陽光発電を始める企業も増えています。
太陽光発電を自分の家で持つか、他の会社から電気を借りる「PPAモデル」を選ぶか、それぞれの方法をよく理解して、家計やライフスタイルに合わせて最適な選択をすることが大切です。
住まいるエコ本舗では、このようなご相談もお受けしています。
太陽光発電についてもっと知りたい、導入について悩んでいるという方は、ぜひ一度見積もりをしてみてくださいね。
見積もりや相談は無料で行っているところが多いので、住まいるエコ本舗だけでなく、いくつかの会社に聞いてみて、じっくりと検討してみることをおすすめします。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました!
お問い合わせはこちら
以下よりお問い合わせ内容を
お選びください(複数選択可)
監修:難波博司
(太陽光発電プロコンサルタント)
蓄電池や太陽光発電に関する記事を多数監修しています。技術的な内容をわかりやすく伝えることを大切にし、お客様が納得して導入できるよう、日々サポートしています。お客様第一の姿勢で信頼性の高い記事を提供しています。
監修:築山享晃
(光熱費削減プロコンサルタント)
お客様視点で電気代や光熱費の削減に関して、実践的な内容をお届けします。豊富な知識を活かし、お客様の疑問にしっかりとお答えします。どんなご質問でもお気軽にご相談ください!