今日の日本において、太陽光発電は再生可能エネルギーの中でも普及率が多くなってきています。
この記事を見てくださっている方の中にも太陽光発電の導入について少し興味がある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そこで今回住まいるエコ本舗は、これから太陽光発電を導入する方や、知識が少ない方でも安心して頂けるように、太陽光発電とは何かを、詳しく解説していこうと思います!!
目次
そもそも太陽光発電とは?
太陽光発電は、太陽の光を直接電気に変換する仕組みです。
このプロセスでは、「太陽電池」が中心的な役割を担い、太陽の光を活用して電力を生みだします。
太陽電池の中には、「n型半導体」と「p型半導体」があります。
「n型半導体」は余分な電子を提供し、「p型半導体」は電子が不足し正孔(空き家のような電子がいない場所)を生じさせます。
これら二つの材料が接合されることで、太陽の光が当たった際に電子と正孔が分離し、電流が発生するのです。
この原理を利用し、太陽電池を多数組み合わせたソーラーパネルが屋根や大規模な発電所に設置され、電気を供給します。
今なぜ太陽光発電か
世界が直面している大きな問題のひとつに、「気候変動」があります。
これは地球の気温が上がりすぎることで、自然災害が増えたり、生き物に悪影響を及ぼしたりすることを言います。
この問題に立ち向かおうと、2015年に世界の国々が集まって「2030年までに目指すべき大事な目標」を決めました。
これを「持続可能な開発のための2030アジェンダ」と呼びます。
同じ年の12月には、地球温暖化を防ぐための約束、「パリ協定」ができました。
この約束では、地球の気温上昇を抑えるために、人間が出す温室効果ガスの量を減らすことが目標にされています。
日本でも、この流れに乗って、2020年に当時の菅首相が「2050年までに日本から出る温室効果ガスの量をゼロにする」と宣言しました。
これを実現するために、政府は「2050年には、使われる電気の半分以上を、風力や太陽光などの再生可能エネルギーで賄う」という目標を立てました。
ここで注目されているのが「太陽光発電」です。
太陽の光は尽きることがなく、発電の過程で環境を汚すガスを出さないため、地球にやさしいエネルギー源です。
例えば、太陽光発電で家庭用の1kW分の電力を1年間作ると、約400kgの温室効果ガスの排出を防げたり、227リットルの石油を節約できたりします。
(出典:太陽光発電協会「表示ガイドライン(2021年度)」)
簡単に言うと、地球を守るために、太陽の力をもっと活用しようと世界中が協力しています。
太陽光発電は、地球温暖化を止めるための大事なキーワードのひとつです。
太陽光発電に必要な機器
太陽光発電の技術の裏側にある様々な部品とその役割を理解することが、全体像を把握する上で大切です!
1. ソーラーパネル(太陽電池モジュール)
太陽光発電システムの心臓部とも言えるソーラーパネルは、太陽からの光を電気エネルギーに変えてくれます。
光がパネルに触れると、内部の特別な素材が動き出し、電気を生み出します。
ただ、この電気はそのままでは使えないので、次のプロセスが必要になります。
2. パワーコンディショナ(インバーター)
パワーコンディショナ(通称パワコン)は、ソーラーパネルで作り出された直流電気(DC)を、私たちの日常で役立つ交流電気(AC)に変えてくれます。
この変換を経て、初めて家庭で電気を使うことができるようになります。
3. 接続箱(ジャンクションボックス)
接続箱は、いくつものソーラーパネルからの電気を一つにまとめて、次のステップへ効率良く送り出す大切な役目を担っています。
この装置がないと、電気の流れがスムーズでなくなり、効率も下がってしまいます。
4. 電力量計(スマートメーター)
電力量計は、使った電気量とソーラーパネルが生成した電気量を測る装置です。
これを使えば、データをパソコンやスマートフォンで簡単に確認できるようになります。
5. モニタリングシステム
太陽光発電システムの動きを見守り、発電量やシステムの状態をリアルタイムでチェックできます。
何か問題が起きた際、迅速に対応することが可能です。
6. 配線材料と取り付け架台
ソーラーパネルを屋根にしっかりと取り付け、生み出された電気を安全に運ぶための配線と架台は、システムを安全に、そして効率良く動かすために欠かせません。
これらの部品がうまく連携することで、太陽光発電システムは私たちの家に電力を供給してくれるようになります。
そして、時には余った電力を電力網に送ることもできます。
各部品がシステムの効率と持続可能性を支えるために、大切な役割を果たしています。
太陽光発電における1日の発電量
どれだけの電気を生み出せるかは、さまざまな条件によって変化します。
例えば、太陽の光がパネルにどれくらい直接当たるかや、パネルをどのように設置するかによって、発電量が変わってきます。
太陽光発電協会(JPEA)によると、ご家庭に1kWのソーラーパネルがあれば、1年間で約1,000kWhの電気を生成できることになります。
これは、かなり大きな数字ですね。
電気を生成する量に影響する要素
・太陽の光の量
お住まいの場所によって、太陽の光がどれだけ当たるかが異なります。
太陽光が豊富な場所では、より多くの電気を生成できます。
・メンテナンスが費用でその費用がかかること
パネルをどの向きに、どの角度で設置するかも、生成する電気の量を変えます。
通常、太陽の光を最も多く受けられるように、南向きに設置します。
・天候や季節で発電量が変わること
電気に変換する機械の性能や、システムがどれくらい効率的に動作しているかも重要です。
これが高ければ高いほど、より多くの電気を得られます。
実際に生成できる電気の量は?
システム容量は「出力容量」や「発電容量」などと呼ばれます。
ソーラーパネルがどれだけ発電できるかを表す数値であり、単位はkW(キロワット)です。
また、kWhは「1時間あたりに得られる発電量」の単位であり、出力容量(kW)×時間(h)で算出されます。
なお、ソーラーパネル1枚の公称最大出力は250W程度です。
太陽光発電協会(JPEA)によると、ソーラーパネルの「システム容量」1kWあたりの発電量は年間で約1,000kWh、1日だと約2.7kWhが目安とされています。
ソーラーパネルの技術は日々進化しているため、これからさらに多くの電気を生成できるようになるかもしれません。
しかし、実際に生成できる電気の量は、その場所やパネルの状態、天候によって変わってきます。
家の屋根サイズの太陽のパネルもあれば、広い場所にパネルをたくさん置いて、もっと多くの電気を作る大きなシステムもあります。
家に設置できる太陽のパネルでは、一度に作れる電気の量が3kWから5kWくらいです。
ちなみにですが、家庭用の太陽光発電の大きさは10kW未満と決められており、それを超えると、工場やお店などの産業用または事業用とされます。
事業用の中でも「メガソーラー」と呼ばれるものは、より大規模で、1000キロワット(これを1メガワットと言います)以上の電気を作ることが可能です。
太陽光発電だけで1日に必要な電気は足りる?
夜や雨の日でも家で電気を使いたいときは、昼間に作った電力をうまく管理することが必要になってきます。
昼間に余った電力は、蓄電池に貯めることや、電力会社に売って夜間に利用する電気代を補うことができます。
ただし、蓄電池自体の価格が高く、電力の管理が難しいという点もあります。
そのため、家で1年間にどれくらいの電力を消費するかを正確に把握し、その量に応じた適切な太陽光パネルを選択することが非常に重要です。
例えば、年間で4,300kWhの電力を消費する家庭の場合、理論上は4.3kWのパネルが必要になります。
しかし、実際には天候や季節の変動もあるため、これらを考慮して計画を立てる必要があります。
計画をしっかり立て、それにそって実行すれば、太陽光発電を活用して家庭の電力を賢くかつ安定して供給することができるでしょう。
電気が余ったら?
日中太陽光発電で作った電気がご家庭で使用する電気よりも多く生成できた場合、余った電気は蓄電池に貯めて朝方夕方に使用したり、電力会社に売ることができます。
この2つの削減効果により、設置費用を回収するのが早くなります!
そのため太陽光発電は、これからも注目されるエネルギー源となるでしょう。
しかし、効率良く電気を生成するためには、太陽の光の当たり方やパネルの設置方法など、考慮すべきことがたくさんあります。
これらをしっかりと理解し、賢く利用していくことが重要です。
太陽電池モジュールと設置方法
太陽電池モジュールを選ぶ際には、どこにどう設置するか、そして何を一番大切にしたいかによって、適切なタイプが変わります。
各タイプの特徴をお伝えします。
屋根置き型
一般的に想定される、屋根の上に直接パネルを設置するスタイルです。
しっかりと固定するために、架台を使います。
・勾配屋根
よく見る斜めの屋根には、太陽の光をたくさん受けられるよう、特に南向きに設置するのがおすすめです。
じゃあ東西屋根では発電できないのか?
そんな事はありません。
日が昇ってから落ちるまで長い間陽が当たる東西の屋根も現代の発電効率が良いパネルでは十分な発電量が期待できるでしょう。
・陸屋根
平らな屋根の場合は、大きなビルや工場の屋上などがあります。
架台を使って、パネルを太陽の方へ適切な角度で向けることができます。
屋根建材型
太陽電池が屋根の一部になっていて、屋根と一体感がありつつ、そのままの外観を保つことができるスタイルです。
・屋根材一体型
太陽電池が屋根材としっかり一体化していて、屋根としても機能しながら発電できます。
見た目も綺麗だと思われる方も多いのではないでしょうか。
・屋根材型
こちらは、太陽電池パネルそのものが屋根材として機能します。
既存の屋根を覆うように設置するので、防火性や耐久性も問題はありません。
どのタイプを選ぶかは、設置場所の特徴や、何を一番重視するか、そして予算などによって変わってくるので、じっくり考えてみてください。
新築時には、特に屋根建材型が外見の美しさと機能性を両立させる選択肢として、とても魅力的かもしれません。
太陽光発電の設置費用相場
太陽光発電は、ここ10年で価格がとても下がりました。
ありがたいことに、技術も格段に良くなって、設置費用も削減されました。
2020年には、家にこの仕組みをつけるのに、1kW(キロワット)あたり約28.6万円かかっていたものが、2021年には、約27.5万円になりました。
家でよく使う大きさは3〜5kWで、これだと82.5万円〜137.5万円くらいかかります。
ただし、実際にかかるお金は、家の屋根の形や、太陽光パネルをどのようにつけるかによって異なります。
たとえば、屋根がいくつもある家や、屋根への道が難しいところは、さらにお金がかかることがあります。
太陽光パネルの取り付け方にも色々あり、設置方法によっても費用が変わります。
なので、太陽光発電を検討する際は、複数の会社からどれくらいお金がかかるか見積依頼をし、どの業者が良いかを比較する事が大事です。
そうすると、各ご家庭にとって一番いい選択ができるでしょう。
太陽光発電の設置費用を安くするコツ
太陽光発電システムを家に導入するには約100万円の初期費用がかかるので、よりお得に導入する方法をお伝えします。
しっかりチェックしておきましょう!
補助金を利用する
国や自治体の補助金を活用して、設置費用を減らすことができます。
国が行なっている補助金制度を利用すると、最大で100万円ほどの補助金を受け取ることが可能ですし、各自治体で行なっているものも一緒に利用することで少しでもお得に設置することができます。
補助金について詳しく説明している内容がありますので、是非確認してみてください!
効率的な製品を選ぶ
発電効率が高いソーラーパネルと変換効率の良いパワーコンディショナーを選ぶことで、コストパフォーマンスを高めます。
設置スペースを有効に使い、多くの電力を生成することが可能です。
どちらも事前の計画と情報収集が大切で、補助金の活用や効率的なシステム選択により、経済的メリットを最大化できます。
太陽光発電における自家消費
太陽光発電で作られた電気をどう使うかには、大きく分けて2つの道があります。
全量買取型
これは、ご自宅で生成した電力をすべて電力会社に売却する方式です。
太陽光発電を普及させるために、政府や電力会社によって推進されています。
自家消費型
この方式では、ご自宅で電力を消費し、余った分を電力会社に売ります。
これにより、電気料金を節約したり、余った電気を売ることによって収入を得ることが可能です。
一般的に、家庭に導入されるのは自家消費型です。
自家消費型の太陽光発電は、以下のふたつのタイプに分かれます。
・全量自家消費タイプ
生成した電力を自宅で全量消費します。
蓄電池に電気を貯めておくことで、必要なときにいつでも使えますが、蓄電池への投資やメンテナンスにはコストがかかり、時間の経過と共に性能が低下する可能性もあります。
・余剰売電タイプ
消費しきれなかった電力を売る方式です。
家が日中空いている場合などは、売電により電気料金の節約が可能であり、さらには収入源となり得ることもあります。
どれを選択すべきか?
太陽光発電の導入を検討する際には、ご家庭での電力使用状況、予算の範囲、将来の電力料金や売電価格の変動を考えることが重要です。
蓄電池の導入や補助金の利用可能性についても調べてみましょう。
ご自身にとって最適な選択をするためには、事業者に相談し、シミュレーションなどで慎重に計画を立てることもお勧めします。
売電収入を増やす方法
太陽光発電からの売電収入を少しずつ増やす方法を紹介します。
太陽光パネルの選択
売電収入を増やしたいのであれば、効率の良い太陽光パネルを選んで設置することが大切になっていきます。
パネルの種類
高い効率のパネルを選ぶのがおすすめです。
種類によって効率や耐久性、コストが異なるので、じっくりとバランスを考えながら選んでみることをおすすめします。
設置の向きと角度
パネルは、太陽光をたっぷりと受けられる。
向きと角度に設置するのがベストです。
一般的には、南向きが良いとされています。
電力消費の最適化
自宅の電力消費を見直して少しでも減らせば、売れる電力が増えます。
省エネ製品の使用:電力をあまり使わない省エネマークなどのついた家電製品を選ぶことをおすすめします。
スマートホーム技術の利用:スマートメーターや自動で調節してくれるシステムを利用して、上手に電力消費をコントロールしましょう。
蓄電システムの利用
蓄電システムを上手に使って、作った電力をもっと効率的に管理するのも一つの方法です。
蓄電池:余った電力は、蓄電池にためておいて、電力が高くなったときに使ったり、売ったりすることによって費用を少しでも抑える方法です。
コストと効果:最初に少し投資が必要になりますが、長い目で見たら、売電収入の増加によって、その投資が回収できるかもしれません。
売電収入を増やすには、効率的な太陽光パネルを選び、適切に設置すること、電力消費を管理すること、そして蓄電システムを上手に活用することがポイントです。
これらを意識してみることで、太陽光発電システムの収益性をぐっと高められるでしょう。
太陽光発電のメリット・デメリット
太陽光発電を導入する際には、利点だけでなく、注意すべきポイントも存在します。
メリット
地球にやさしい
太陽光発電は、環境にやさしいクリーンなエネルギーです。
二酸化炭素を出さないので、地球温暖化の心配が少なくなります。
電気代が節約できる
自分の家で電気をつくれば、電気代が節約できますし、余った電気は売ることもできます。
停電対策になる
太陽光発電に蓄電池を合わせれば、停電時も電気を使うことができます。
デメリット
初期費用が高い
太陽光発電システムを設置するのに、結構なお金がかかります。
それに、屋根の強度を上げたり、配線を整備したりする追加の費用も考えなければいけません。
メンテナンス費用
システムを長く使うためには、定期的なメンテナンスが必要です。
時々、パーツを交換する必要もあるので、そのたびにお金がかかります。
取り外し費用
もし、家を売るときや、システムをアップグレードするときに太陽光発電システムを取り外す必要があるかもしれません。
そのときの費用も忘れずに考えておきましょう。
導入を考えるときは、これらのメリットとデメリットをしっかり理解して、ご自身の家にとって本当に得かどうか、じっくり考えてみることが大事です。
長い目で見て、環境にもお財布にも優しい選択をしたいですね。
まとめ
太陽光発電システムの導入を考える際は、土地や家の条件、基本や制度をよく理解することが重要です。
そして、いくつかの業者から見積もりを取って比較することをおすすめします。
特に、太陽光発電と屋根工事の専門知識を持つ住まいるエコ本舗は、多くのお客様に信頼されています。
私たちは、心を込めたサポートで、お客様一人ひとりの太陽光発電導入を全力でサポートします。
太陽光発電への一歩を踏み出す際は、ぜひ私たち住まいるエコ本舗にお任せください。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
お問い合わせはこちら
以下よりお問い合わせ内容を
お選びください(複数選択可)
監修:難波博司
(太陽光発電プロコンサルタント)
蓄電池や太陽光発電に関する記事を多数監修しています。技術的な内容をわかりやすく伝えることを大切にし、お客様が納得して導入できるよう、日々サポートしています。お客様第一の姿勢で信頼性の高い記事を提供しています。
監修:築山享晃
(光熱費削減プロコンサルタント)
お客様視点で電気代や光熱費の削減に関して、実践的な内容をお届けします。豊富な知識を活かし、お客様の疑問にしっかりとお答えします。どんなご質問でもお気軽にご相談ください!