太陽光発電システムでは、パワーコンディショナ(パワコン)は大切な機器です。
使い続けるうちに故障で修理や交換が必要になることもあります。
パワコンの寿命は?交換時期は?長持ちさせる方法ってあるの?
そんな疑問に、今回は詳しくご説明します。太陽光発電の維持管理について調べている方や、パワコンを長持ちさせたい方などは参考にしてみてください。
目次
パワーコンディショナの大切な役割
パワーコンディショナには、重要な役割があります。
1.太陽光パネルで発電した直流の電圧を交流に変換する
2.太陽光発電や蓄電池が天気に合わせて性能を最大限発揮できるようにしてくれる
太陽光発電で得られる電力は直流電力ですが、一般家庭で使用される電力は交流電力です。パワーコンディショナは直流から交流に変換して電気を使えるようにしています。
また、晴れているとたくさん発電できますが、曇っていると発電量が少なくなったり不安定になったりします。そのような条件でも、電気を安定して送れるように、パワーコンディショナが調整をしてくれます。
太陽光発電や蓄電池を使う上で、パワーコンディショナはすごく大切な役割をしています。パワーコンディショナについてもっと詳しく知りたい場合は、以下の記事を参考にしてください。
パワーコンディショナの寿命は何年?
パワーコンディショナーの寿命は、おおよそ10~15年といわれています。
太陽光パネルが30年以上もつのに比べると、パワーコンディショナーは少し寿命が短めです。その理由は、パワーコンディショナには「可動部分」といって動く部品があるためです。
太陽光発電パネルは、半導体の働きを使って発電しているので摩耗することがなく長持ちしますが、パワーコンディショナは動く部分があるため、少しずつ摩耗してしまい、故障しやすくなるのです。
よくある故障の原因
パワーコンディショナが故障する主な原因は、「初期段階の接続不良」「熱や経年による部品の劣化」「外部環境の影響」の3つです。
初期段階の接続不良
設置時にケーブルがしっかりつながっていないと、部品が熱で破損したり、ケーブルが切れてしまうことがあります。この問題はパワーコンディショナ本体ではなく、設置工事のミスが原因です。
熱や経年による部品の劣化
長く使うことで、内部の部品が少しずつ摩耗していきます。これは他の家電製品でもよくある現象です。換気フィルターを定期的に掃除するなど、日頃のメンテナンスで故障のリスクを減らせます。
外部環境の影響
雨やホコリ、虫なども故障の原因になります。例えば、水が入ると回路がショートしたり、ホコリが溜まると部品が熱くなって壊れやすくなります。
寿命の見分け方
パワコンが寿命を迎えているかを判断するためには、以下のポイントに注目すると良いでしょう。
●急激な発電量の低下
● エラーコードの表示
● パワーコンディショナーの画面が消えたりする
これらのサインがあったら、パワコンに問題があるかもしれません。違和感を感じたら、早めにチェックしてみてください。もしパワコンに何か問題が見つかった場合は、修理や部品交換が必要になります。
ちなみに部品交換も一つの選択ですが、故障内容によっては新しいパワコンにした方が良い場合もあります。
古い機器のまま使用を続けると、故障や効率の低下が起きる可能性があるためです。パワコン1台が故障したら1台あたり発電量の10%〜25%が売電できなくなります。不具合が出た場合は早めにチェックしてみてください。
新しいパワーコンディショナを長持ちさせるコツとは?
長持ちさせるには日頃からのメンテナンスが大切です。
基本的には購入した会社の専門業者が行いますが、個人でも日頃からできるメンテナンス方法と合わせて寿命を伸ばすための方法をお伝えします。
ほこりやゴミなどの掃除
普段のお掃除と同じで、定期的に清掃を行いましょう。パワコンの周辺にはほこりがたまりやすく、冷却ファンや放熱板に付着してパワコンの冷却効率を下げてしまう恐れがあります。
普段から綺麗にしておくことが大切です。
モニターで使用状況の確認をする
使用状況をモニタリングして、異常な使い方や過剰な負荷がかかっていないかをチェックする習慣をつけましょう。
冷却ファンとコンデンサの点検と交換
これは個人では難しいので設置した業者にお願いをすると思うのですが、ファンの劣化が進むとパワコンの発熱が増加し、寿命が短くなる原因に繋がりますので適切なタイミングでの交換が必要です。
コンデンサに関しては寿命が設定されており、それを超えると交換が必要です。取り扱い説明書や製造元のホームページを参考に交換時期がきたら交換するようにしましょう。
パワーコンディショナの交換費用は?
パワコンを新しくする場合は、部品や作業費用を含め、大体22万円程度が目安でしたが、近年の半導体不足や物価高の影響で、平均的な交換費用は作業費含め1台あたり35万円程度まで値上がりをしています。(令和6年度の調達価格等算定委員会より)
部品だけを新しくする場合は、およそ5万円ほど。使っているパワコンがまだ保証期間内だったら、無料で新しくすることができる可能性もあります。
交換のタイミングで検討したほうがいいこと
修理するか、新しく買い替えたほうがいいか考える
既存のパワコンを修理した場合と、新しく購入した場合のコストを考えて比較することが大切です。
まだ太陽光発電だけで、蓄電池は設置していないという方は、修理費用をかけるのであれば、将来的に考えて蓄電池を新たに設置すれば、パワコンを修理する必要はないですし、そこまで電気代が高くなければコストをかけて新たに購入する必要はないと思います。
蓄電池を新たに設置するなら、ハイブリッドパワコンが良い
通常だと、太陽光発電と蓄電池を組み合わせる場合、太陽光発電用と蓄電池用のパワコンで、2台必要になります。
ハイブリッドパワコンにすると、蓄電池と太陽光発電のパワコンが一体化しているので2台もつける必要はなく1台で制御可能になります。
まとめ
太陽光発電システムにおけるパワーコンディショナ(パワコン)は重要な役割を果たしています。
パワコンの点検やメンテナンスを怠らず、交換時期を把握しておきましょう。
また、パワコンの寿命は15年前後のため、1度は交換する必要があります。交換が必要なタイミングで蓄電池も設置することで節約効果を高め、災害にも備えることができますので、蓄電池を導入するという方法も検討した方がよいでしょう。
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監修:難波博司
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