蓄電池を検討するとき、トライブリッドっていいのかな?トライブリッドってなんだろうってなっていませんか?この記事ではトライブリッドって実際どうなの?という疑問に分かりやすく解説していきます。
目次
トライブリッド蓄電池システムとは?
そもそも「トライブリッド」というのは「3つの方法」という意味で、主に「太陽光発電」「蓄電池」「EV」の3つの技術を1つにまとめて制御しているシステムです。
トライブリッドタイプのメリット
EV(電気自動車)の燃料費を削減
近年、ガソリン代や電気代など燃料費高騰により、車の燃料費が高くなっています。
トライブリッドを使えば日中に太陽光で発電した電気を蓄電池に充電しておくことで、帰宅後の夜間にEV充電が可能なので、電気料金を節約できます。
電気の変換ロスが少なく発電した電気を無駄なく使える
一般的な単機能型の蓄電池を使い電気をEV車につなぐ場合、いろいろな機器を経由するため、どうしても経由するごとに電気ロスが発生してしまいます。そこでトライブリッドシステムにすると電気ロスを最小限に抑えることができますので、効率よくEV車に電気を送る事ができます。
緊急時に備えて多くの電力を保存しておける
一般的な家庭用蓄電池の蓄電容量は約4〜12kwhですが、ハイブリッド蓄電池の場合約35〜60kwh程の容量があります。停電時には家庭用蓄電池の場合、賄える電力は1日分ですが、ハイブリッドタイプは蓄電池や電気自動車に電気を蓄えられるので約2〜4日分の電力を供給できます。
トライブリッドタイプのデメリット
初期費用が高い
機能や性能が良い分、値段が高いです。
また蓄電池とV2H機能を搭載しているので、システム全体のコストも高くなっています。
蓄電池とV2Hの違いについてはこの後にご説明しますね。
設置スペースの確保が必要
むちゃくちゃ大きいという訳ではないですが、システム全体を入れることになりますので、蓄電池とパワーコンディショナ、V2Hスタンドの設置スペースが必要です。
住宅密集エリアだとスペースの確保が難しいという場合も出てきます。
※画像はQセルズより引用
蓄電池(トライブリッド含む)とV2Hの違い
では先程、軽く触れました蓄電池とV2Hの違いについてです。
似ているのですが、V2Hは電気自動車(EV)の電気を家で使うための仕組みです。もし停電しても、EVにためた電気を家で使えます。
トライブリッド蓄電システムは太陽光発電と蓄電池を使って、昼間にためた電気を家やEVで使える仕組みです。
つまり、V2Hは「EVやPHEV(プラグインハイブリッド車)の電気を家に放電するためのもの」、トライブリッドは「太陽光と蓄電池を使って家とEVやPHEVの電気を効率よく使う」ものです。
トライブリッド蓄電システムを構成する機器の中にはV2Hがありますので、蓄電池とV2Hがセットになった感じですね。
蓄電池を入れずにV2Hだけではダメ?
そこでよく聞かれるのが、EVやPHEVを持っている人や近い将来検討している人から、「蓄電池を入れずにV2Hだけではダメなんですか?」というものです。
電気自動車を蓄電池代わりに使えば、蓄電池まで設置する必要はないんじゃない?ということですね。
確かに、電気自動車を蓄電池のように使うことはできます。そのかわりデメリットもあります。
V2Hだけの場合のデメリット
停電対策にならないことがある
どうせなら、停電時にもある程度対応できたらいいなとお考えの場合、停電はいつ発生するか分かりませんので、もし家族が家にいる状態で停電が起き、車がすぐに帰れない状況だと、家での電力供給がすぐに確保できない場合があります。
太陽光発電の長所を受けづらい
太陽光発電は、日中に発電した電気を家の中で消費して、余った電気は自動で電力会社に売られるようになっています。電気代の単価は電力会社に売っている電気より電力会社から買っている電気の方が高くなっています。また、家庭で使う電気の消費量は一般的に夕方以降に多くなります。
そのため、昼間に車が家にない時は、せっかく太陽光で発電した電気の多くが売られてしまい、車が家に帰ってくる夕方以降には、わざわざ高い電気を電力会社から買って車に充電するということになります。
リチウムイオン電池の寿命が早まる
仮に昼間は電気自動車を使ってなくてお家にあるという場合、電気自動車に電気を溜めておけますので、蓄電池と同じ働きが期待できます。
しかし、それは車の電池寿命を縮めてしまう恐れがあります。
電気自動車の場合、リチウムイオンバッテリーで動いているので、「充放電の回数=寿命」という部分も考える必要があります。
スマホと同じように充電と放電を繰り返すとバッテリー寿命は短くなっていきます。電気自動車は蓄電池よりも高価なものなので、長い期間使いたいのであれば、あまりオススメとは言えません。
V2Hとトライブリッドはどっちがよいか?
電気自動車を持っている方や、将来購入を考えているのであれば、トライブリッドがオススメです。
初期コストがやや高いですが、昼間に太陽光で発電した電力を蓄電池にためて、夜間に自宅やEVに供給することが可能なので長期的にトライブリッドの方がメリットがあると思います。
また保証の面からみても、ほとんどのV2Hが5年に対しトライブリッドは10~15年の無償保証を出しています。各メーカーもトライブリッドに力を入れていますので、今後もハイグレードな機能を持った製品が登場してくるでしょう。
トライブリッド蓄電池の価格の目安
トライブリッド蓄電システムを導入しようとした場合「V2Hスタンド」「蓄電池」「パワーコンディショナ」と太陽光パネルが必要です。
各機器のおおよその価格をまとめてみました。
トライブリッドシステムだけで約320万〜になり、これに太陽光パネルがまだ付いていない場合は太陽光パネル代がかかってきます。
結構かかりますよね、高価な設備なので、なるべくコストを下げて導入するには補助金を活用しましょう。
トライブリッド蓄電池は補助金を利用しよう
国が支援する「DR補助金」は、環境共創イニシアチブ (SII) が主導しており、トライブリッド蓄電池を含む蓄電池に対して、1kWhあたり37,000円が支給されます。この補助金は需要が高いため、申請締切が早いので早めに検討したほうがいいです。
補助金に関して、詳しくはこちらの記事をご覧ください
おまけ・トライブリッド対応車種
トライブリッドに対応した車種は現時点では以下のとおりです。
ご不安な場合は、車の購入店に対応できるか確認してみましょう。
トヨタ | ・bZ4X ・プリウスPHV ・MIRAI |
---|---|
日産 | ・リーフ ・アリア ・サクラ ・e-NV200 |
三菱電機 | ・eKクロス EV ・アウトランダーPHEV ・エクリプスクロスPHEV ・i-MiEV ・MINICAB-MiEV |
ホンダ | ・Honda e |
スバル | ・ソルテラ |
マツダ | ・MX-30 EV MODEL ・CX-60 PHEV |
レクサス | ・RZ450e ・UX300e |
V2H海外対応メーカー
スクロールできます
Hyundai | ・IONIQ5 |
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BYD | ・e6 ・ATTO 3 ・J6 ・K8 |
メルセデス・ベンツ | ・EQS ・EQS SUV ・EQE ・S 580 e 4MATIC long |
まとめ
トライブリッド蓄電システム、いかがでしたでしょうか。パワコンの交換を考えている方、電気自動車をお持ちの方、これから電気自動車の購入を検討されている方は、一度導入するメリットがあるかシミュレーションをしてみてください。トライブリッド蓄電システムは初期費用は高いですが、その分の恩恵はあります。住まいるエコ本舗ではシミュレーションも行っておりますので是非お気軽にご相談ください。
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監修:難波博司
(太陽光発電プロコンサルタント)
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監修:築山享晃
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